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展示の手順

 展示の手順は、基本的には [水平・センター出し] → [位置決め] → [釘打ち] → [作品設置] → [微調整] → [完成] という手順になると思います。

 展示の際は、あらかじめどのような展示にするか、作品の配置はどうするかを決め、紙にまとめておくと便利です。 また、実際の会場に着いてから不具合がないように、実際の展示をする前に、自宅や学校などで展示のリハーサルをしておくことをお勧めします。 (会場に着いてから展示方法を考えている作家さんもいましたが、平均するとあまりよい結果に結びついていないように感じました。)

 ギャラリーや雑誌の編集者の方はもちろん、写真を見に来る人は展示も含めて作品を評価します!展示のクオリティは非常に重要です。 どんなに良い写真を展示していても、展示方法や展示の質が悪いと評価が悪くなります。(管理人自身も展示方法についてはかなり突っ込まれました。)

水平・センター出し

 展示を行う上で最も重要な作業がこれです。これが正しく行われないと、展示全体のレイアウトがメチャクチャになり、作品の魅力を大きく損なうことになってしまいます。

 会場の御苗場スタッフは、 BLACK&DECKER 垂直・水平レーザー墨出し器 BDL310S を使っていました。 こちらは、他の日本製製品よりも格安ですし、中のレーザー発信器がぶら下がっている状態なので、特別な設定無しに自動的に水平と垂直を出せて便利です。

 管理人は、 BLACK&DECKER イージーレーザレベラー Z-BDL210S を使いました。 こちらは、付属の水準器を見ながら水平・垂直を手動で出さなくてはならないのですが、価格が安いのとカメラの三脚に取り付けられるのが利点です。

 どちらかというと、個人的には御苗場スタッフが使っていたような、自動的に水平を出してくれる方をお勧めします。 会場ではレーザー水準器を持ってきていた作家さんが何人かいたので、交渉して一時的に借りるのもひとつの方法だと思います。 また、グループで出展する場合には、共同購入を検討するのもアリだと思います。

 ちなみに管理人がやった手順は以下の通りです。

[1] まず脚立などにレーザー水準器を置いて水平を先に出します。水平なレーザーをカベに当てます。

[2] 水平なレーザーを基準に水平にたこ糸を張ってマスキングテープなどで仮止めします。

[3] 次に、張ったたこ糸の中央をメジャーなどで測って、中央にマスキングテープでマーキングします。

[4] 今度はレーザー水準器を垂直にして、マーキングした中央に当てます。

[5] 垂直なレーザーを基準にして、垂直にたこ糸を張り、マスキングテープなどで仮止めします。

 展示方法によっては、基準となる垂直線は3等分とか4等分の方が良いかもしれません。

位置決め

 前の作業で取った水平線と垂直線を基準に、作品の位置を決めて、それに応じてクギを打つ位置を決めます。 (画像は、水平・垂直のたこ糸と作品配置のための基準のたこ糸を張ったところです。分かりにくいので画像に色を付けています。赤色が水平・垂直線で、青色が配置の基準線です。)

 水平のたこ糸と両端の垂直に貼られたテープ、センターのたこ糸などを基準に、配置の基準となるたこ糸を張っていきます。

 配置の基準が決まったら、クギを打つ位置を決めて、マスキングテープでマーキングしていきます。

 クギを打つ時には、よっぽど上手い人でないと1~2ミリ程度ずれますし、後で斜めにしたり打ち直したりできるので、クギの位置はそれほど神経質にならなくても大丈夫かも。

 管理人の場合は、縦・横ともに規則的に配置する展示だったのでこのあたりの作業はかなりきっちり行いました。 しかし、変則的な展示をする作家さんや、展示慣れしている人は、水平線だけでどんどん位置決め→釘打ちをしていました。

釘打ち

 (※2013年追記)2013年からブースの木版がとても薄くなったので、クギでの作品固定はお勧めできません。軽い作品をピンかテープで留めることが想定されているようです。

 作品を掛けるためのクギを打っていきます。 たいていの展示方法では、クギを打った場所は額装やパネルで隠れるので、 位置を間違えた場合には思い切って打ち直してしまった方が良いかもしれません。

 会場の所にも書きましたがステンレスクギよりも鉄クギの方が抜けにくいので良いような気がします。管理人は長さ38mmのクギを使いました。

 (※管理人が知り合いの大工さんや画家さんに、鉄とステンレスのどちらが良いか聞いたところ、「絶対に鉄!ステンレスはダメ!」というお答えをいただきました。)

作品設置

 釘打ちが終わったら作品を設置していきます。作品を落とすと破損したりするので要注意です。 ハレパネなど、スチレンボードは落とすと端がゆがんでしまいますし、額装は落とすとガラスやアクリルが割れてしまいます。 また、作業中に作品の表面に物が当たるとインクがはがれたりするのでこれも注意してください。

 設置中は、軽作業用の綿手袋を着用すると、作品に指紋がついたりするのを防ぐことができます。さらに汚れ防止のために作品には紙をかぶせておくと安心です。

 このときにコンセプトボードや自己紹介ボード、簡易の棚も設置します。棚の上には感想ノート・名刺・ポートフォリオ(ブック)・ペンを置きます。 ポートフォリオ、感想ノート、ペンなど無くなったら困る物は糸で棚とつなげておいた方が良いかもしれません。

 管理人の場合、簡易の棚をホームセンターで木材とL字金具とネジ、白色のシリコン塗料を買ってきて作成しました。(2011年10月6日訂正:床から置く台や展示範囲内に収まる小さな机などを利用することが推奨されています。) 他の作家さんは、小さな棚や机を置いたり、地べたに布などを敷いていました。

 額装方法ごとの具体的な設置方法については、展示形式(額装) の項を参照ください。

微調整

 色々な距離と角度から見て、作品の配置を微調整します。 微調整の方法はクギを上下左右から打って斜めにしたり、額装の場合は後ろのヒモの張り具合などを調整して行います。額装の場合、上下のズレはクギを打ち直した方が早いです。

 左右のズレが1mmくらいであれば、気にしない人が多いと思います。 (ギャラリーの方や展示方法に厳しい人、目の肥えた人は気にするかも・・・。) この作業は、こだわり始めるとすごく時間がかかるので、やり過ぎに注意です。 しかも、あれこれやっているうちに作品が破損したり汚れたりするリスクもあります。

完成

 最後に、基準となったたこ糸やマスキングテープを取り除いて完成です。

 (※2013年追記)表面の紙は非常に剥がれやすいので、マスキングテープを取り除く時に一緒に剥がれてしまわないように気をつけてください。

 作品を保護するための紙は、搬入日ではなく展示初日の開場30分前くらいに来て取り除いた方が良いかもしれません。開場前に入場できるかどうかは、搬入日作業の終了後、御苗場スタッフに相談してみてください。搬入日の退出前に最終チェックをかねて取り除くと良いと思います。

その他搬入時のTips

 搬入は、早めに行って、早めに作業した方が良いと思います。 というのも、設置しているそばから出展者同士の交流が始まったり、搬入の時点で雑誌の関係者、カメラメーカーの方、ギャラリーの方などが訪れているためです。 搬入時刻が終わりに近づいてくると、人も増えてきて行き来が活発になり、アクシデントが起こりやすくなります。

 搬入作業中は、作品の保護のために作品の前面に紙をかぶせておいたり、厚紙で覆ったりしておくと良いと思います。 (特にインクジェット印刷は水や傷に弱いので搬入作業中の破損が起こりやすいです。)

 万が一、搬入作業中に作品の破損などが起こった場合に備えて、予備の作品も準備しておくと安心です。

 作品は宅急便などであらかじめ会場へ送ることができます。詳しくは御苗場運営者から事前に配布されるマニュアルを参照してください。 (搬出時も着払いでの宅急便の発送受付窓口が設営されていました。)

 あと言うまでもありませんが、搬入時はスタッフや周りの作家さんと挨拶を交わして、お互いが他の人の作業の邪魔にならないように気をつけてください。 お互い助け合って、御苗場全体が良い展示になるように協力しましょう。